かなでちゃん、今日も上司と一戦やってたね。
ふくみみ先輩、見られてましたか(汗)。
だってあの人のせいで時間を無駄にしてばっかりなのが許せなくて。
何があったの?
まあ、大したことではないかもしれないんですが・・・。
実は、あるクライアントさんの過去の受注履歴を全部洗い出してエクセルのリストにしてほしいと言われたので、「受注管理システムで見れますよ」って言ったんです。
でも上司は「エクセルが必要だ」と言うので、面倒くさいけど手作業で作成したんです。
そしたらやっぱり受注管理システムの画面以上のものは必要なくて、私の作業時間が無駄になったのです。その日は結局残業になりました。
「エクセルはいらない」というのは後からわかったことだから仕方ないんですが、上司からは「ごめん」の一言もないどころか、部下の時間を奪った自覚もないんです!
そもそも部下に作業を指示する前に上司が「本当に必要か」をもっと検討していたらそんな無駄な作業は発生しなかったのです。
思いつきだけで命令するからこっちは振り回されます。
なのに自分の落ち度は絶対に認めようとしなくて、むしろ正当化しようとするんですよ。
「そんなんだから、みんなやりづらいんですよ!」って言っちゃいました。
かなでちゃんすごい・・・。みんな、思ってもなかなか言えないよ(汗)。
私、みんなが、おかしいと思っているのに言い出せずに、無駄な仕事を言われるがままやっている状況がどうしても我慢できないんです。残業も増える一方じゃないですか。
そうだよね・・・。私もおかしいとは思ってたんだけど、言っても面倒くさいだけだから従った方が無難だな、って流されちゃってたかも。
そうですよ!みんな心の中では上司の不満が溜まってると思うんですよ。
だからすぐ辞めちゃうんですよ。
上司は「急になんで!?」っていつも言いますけど、急にじゃないですよね。
だね。今のチームは誰も抜けてほしくないなあ。不満が爆発する前にみんなが何を思っているのか、聞いてみたいな。
確かに、みんなが何を考えているのか聞いたら上司に意見もしやすくなるかもしれませんね。
ちょっとみんなの不満、集めてみよっか。
いいですね!不満の棚卸ですね(笑)。どんなのが出てくるかな?
みんなに聞いた上司の不満
先輩!みんなから上司の不満をヒアリングしました!
うわあ〜、いっぱい出たね〜
上司の不満の大原因は「部下その人と向き合っていない」こと
かなでちゃんから見せてもらった紙にはびっしりとみんなからの上司の不満が書き記されていました。
たくさんありますが、よく見てみるとある共通項が浮かび上がってきます。
それは「上司が自分と向き合ってくれていない」ということが根底にあるのではないか
ということ。
一番多い不満は指示が的確でないこと
アンケートで一番多かった不満は「指示が的確でない」ということでした。
状況把握が出来ておらず、表面的なことしか見ていなく、上司の頭で深く考えることをせず一般論に当てはめ、どこかの誰かが言っていたそれっぽい知識でものを言い、全くあさってな指示が飛んできて振り回される。
みんな、やることがいっぱいあってパツパツなので、そりゃ不満も溜まります。
ビジネスマンに重要とされる「報・連・相」も、相手(上司)が的確だから成立するんです。
「報・連・相」をしたせいで余計な指示を出され無駄な仕事が増えた、ということも少なくありません。
目の前の部下が何が足りなくて何をして欲しいのか、どんな言葉をかければモチベーションが上がるのか、広い視野と深い洞察力で的確に指示をしてほしい。
部下が上司に期待するのはかなり高レベルなことかもしれません。
二番目に多い不満は「仲が良い職場」の勘違い
次に多いのが、「和気藹々なのが良い職場と勘違い」していること。
部下はたくさんの仕事を限られた時間の中で効率よく処理していかなければなりません。
実際に処理をするのは部下。
上司は指示のみで作業はしません。
だから「限られた時間で効率よく」というところに如何に部下たちが気を遣っているかを知りません。
みんながそういう状況で仕事をしているオフィスは”し〜ん”とします。
みんな集中していますから。
ダメな上司は”し〜ん”としているという表面上だけを捉えて「盛り上げよう」としてしまいます。
「息抜きも必要だよ!雑談も大事だよ!」と。
部下たちはせっかくノっていた仕事を中断し、上司の雑談のお相手をしなければなりません。
部下たちが必要としているのは安心して集中できる環境。
必要な時に必要な言葉を交わせば必要な答えが返ってくるチームワーク。
そして、限られた時間で最大の成果を出して達成感を得ることです。
実際には、「冗談を言い合って笑いの絶えない職場が良い環境」と勘違いしている上司が意外と多いのです。そういう職場は表面上は良く見えますよね。
でも、「見えない部分」ではどうでしょうか。
部下の内心はどうなのでしょうか。
雑談によってちょこちょこと邪魔され、1時間で終わるはずの仕事が2時間も3時間も費やさねばならなくなる。その後の仕事の計画も全部狂ってきてゲンナリ。
部下の中にも上司と同じ考えの人がいた場合はさらに最悪です。
その部下(仮に「部下A」とします。)はコミュニケーションのつもりで無駄話をしてばかりで一向に手を動かさない。
締め切りはやってくるのに出来ていない。
周りが手伝う羽目になるのに上司はそれを「チームだから当然」と思っていたりする。
部下Aがダラダラと時間を無駄にしていたことには何の注意もありません(というか見えていない)。
真面目に働いている周りの部下たちはやってらんない!ってなりますよね〜。
まあ、実際はみんな、なんとなくうまいことやって成り立っているのですが。
でもストレスは溜まっちゃう!
上司の不満を解決したいなら「部」ではなく「個」で評価しろ
なぜだか、日本の会社は個人ではなく組織を重んじます。
個人が何をするかではなく、「部として」「会社として」という言葉を使いたがります。
そのため会社の中で個人が頑張っても「部の功績」あるいは「上司の功績」とされてしまう場合が少なくありません。
業績評価のような大層なものでなくても、日々の小さな雑務でも同じです。
例えば、「乱雑に置かれていた資料を綺麗にまとめて片付けた」という業務があったとします。
ふつうは「業務」として挙げるほどのものではない、と考える人がほとんどです。
実はそれって重要な業務。でもやったところで誰にも気づいてももらえない。
そんな例はたくさんあります。
小さなことですが、その小さなことが、一番積もりやすく炎上しやすいのです。
上司の不満を解決したいなら一人一人と向き合え
実は、部下たちはみんな、本当はもっと上司と話をしたいのではないでしょうか。
本当は自分達の迷いや悩みを聞いてほしい。
なんなら愚痴も聞いてほしい、本音で話をしたい。
本当はもっと自分のことをわかってほしい、と思っているのではないでしょうか。
上司は一人一人と向き合わなければなりません。
それは大変面倒なことであるし難しいことです。
でも、それが上司の仕事です。
上司の仕事は「マネジメント」。
「マネジメント力」というのは「人を動かす力」です。
上司はその能力を買われて上司になったのではないですか。
その分のお給料をもらっているのではないですか。
だから、出来る出来ないは別にして、一人一人と向き合う「努力」はするべきと思います。
大きな会社になればなるほどポジションだけに安住して役割を果たさない上司が多くいるように思います。
大変なのは分かります。大きい会社は見ないといけない部下の数も多いですしね。
それでも、「どうすればみんなが生き生きと仕事が出来るようになるか」を常に考えていてほしい、と部下の側からは願います。
「みんなが」と言いましたが、「みんな」というのは「一人一人の集合体」です。
「みんな」というモノは存在しません。
一人一人を満足させるから「みんな」が満足する部署になるのです。
繰り返しになりますが、「やりやすい仕事の仕方」は一人一人違うのです。
おわりに
と、まあ、理想はそうなんだけど、「言うが易し」よね〜
そうですよね。そんな完璧な人なら本でも出せちゃいますよね(笑)。
部下もそれはわかってます。難しいことだって。そこまで馬鹿じゃないし鬼じゃない。
でも、努力は見せて欲しいですよね!
そうそう!努力しようともしない人はもう無理!
でも私たちの方も上司と向き合わないといけないですよね。
お?なんだか素直な意見。
なんだか、上司のせいばかりにするのもフェアじゃない気がして。
そうだね。上司だって人間だから失敗もするし。
部下である私たちも、上司を表面的に見て不満を抱えちゃっているかもしれないね。
お互いに「的確なコミュニケーション」をとるように努力し続けると良いのかも。
何が的確なのか、を考え続けるのが大事かもね。